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定年後の再雇用拒否は無効か?

2011年08月09日更新

 ご存知のとおり、平成18年の4月より、

 「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」が改正され、

  原則的に労働者の65歳までの雇用の確保をしなければならないとされました。

  経過的措置が設けられ、現時点では64歳までですが、

 平成25年4月からは65歳までの雇用確保が義務づけられています。


 そのうちのひとつの方法として、再雇用ということがあります。

 再雇用とは、定年年齢は変えないが、その後 労働条件を新たに決めて

 再び雇用契約を交わすということになります。

 ・再雇用を希望する者全員

 ・再雇用を希望する者のうち、一定基準を満たす者

 というふたつの対象の決め方があります。


 その際、「この人は再雇用したくない」と会社側が考えることが

 ありえますが、

 労働者が希望しているのに、会社側が再雇用を拒否すると、

 解雇になるのでしょうか?


 
 再雇用は、定年によって雇用契約関係が終了したあとに、

 新たに雇い入れるということですから、本来は採用の自由があるはずです。


 が、先述のように、高年法で雇用の確保年齢が定められていますので、

 現在なら、64歳未満の定年を定めている場合は、問題となります。


 ひとつ判例を紹介します。


 定年退職した原告が

 再雇用を希望したのにもかかわらず

 法人側が拒否したことは

 正当な理由を欠き無効である。

 だから、再雇用契約が締結されている=>雇用関係にある

 と求めたものです。


 この会社は

 高年法第9条第2項に基づく労使協定により

 「再雇用契約社員就業規則」が定められていました。

 定年退職者の再雇用条件として

 再雇用を希望することを事前に申し出た者で

 (1)健康状態が良好で、上記再雇用就業規則に定める勤務日、勤務時間の

    勤務が可能な者

 (2)再雇用者として通常勤務ができる意欲と能力がある者

 としていました。

 
 裁判所は以下のように判断しました。

 原告には、

 その職務を遂行する上で備えるべき

 身体的技術的能力を減殺する程度の

 協調性又は規律性の欠如が認められるとはいえない

 だから、上記(2)の能力がないということはできない


 ↓

 再雇用拒否は、

 再雇用就業規則の要件を満たしているのに

 客観的、合理的理由もなくなされた。


 ↓

 客観的、合理的理由もなく解雇してはいけないという

 解雇権濫用法理に照らして無効

 
 

 労働者としての地位があるわけですから

 争っている間の賃金が発生してしまいます。


 再雇用条件の定め方は大事です。

 またその場合は、労使協定を結んでくださいね。


 
 「規律性、協調性がない場合は、再雇用はしたくない」

 という場合は、そのように規定しておけば、無用なトラブルは避けられます。

 この労使協定がない場合は、

 「希望者全員を対象とする」制度であるとされますので、

 ご注意ください。

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