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残業時間を自己申告制にしている場合の注意点

2011年05月29日更新

 厚生労働省が出した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に

 関する基準」というものがあります。

 そこには、

 (1)始業・終業時刻の確認及び記録

  使用者は、労働時間を適正に管理するため、

  労働者の労働日ごとの始業・ 終業時刻を確認し、これを記録すること

 とあります。


 そして、原則として、

 (2)始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法

  使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、

  原則として次のいずれかの方法によること。

  ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。

  イ タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、
    記録すること。

 をあげています。

 原則として上記ですが、これ以外には、自己申告制という方法がありますね。

 それについては、「行わざるを得ない場合」として、例外的にあげています。

 

(3)自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置

 上記(2)の方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、

 使用者は次の措置を講ずること。

 ア 自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、

   労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて

   十分な説明を行うこと。

 イ 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか

   否かについて、必要に応じて実態調査を実施すること。

 ウ 労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で

   時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。

   また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の

   定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の

   適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、

   当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。

 とされています。

 過少申告をしないように徹底しなければならないということですね。

 逆に多く申告することもあるのかもしれないので、

 どちらにしても実態を把握することを求めています。

 
 適正な申告を阻害する要因としては

 ・時間外労働時間数の上限設定
 
 ・時間外労働削減を指示する社内通達

 ・時間外労働手当の定額払い

 ・職場単位ごとの時間外労働手当の予算枠の設定

 などがあります。

 「時間外労働時間数の上限設定」が適正申告の阻害要因となりうるのは、

 一定時間内でやれないにもかかわらず、その時間内ではできないような

 時間を設定する場合をさしています。

 上限目標を設定して、効率的に仕事をすることを目的にしている

 場合は、適正申告の阻害要因とはいえませんね。


 なので、上記が悪いということではなく、それらが適正申告の阻害要因と

 なっている場合は、改善が必要になるということです。

 労働基準法改正により、割増賃金率は上がっていく方向です。

 ただ「時間内にやれ!」と言うだけでなく、

 考えたり、話し合ったりする時間をとって、改善を繰り返せば

 仕事のやり方を見直すチャンス、生産性をアップするチャンスになりますね。


 
 なお、労働時間の記録に関する書類は労働基準法第109条に基づき、

 3年間保存することになっています。

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