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「変形労働時間制」が認めらなかった判決です。

2010年04月23日更新

「洋麺屋五右衛門」のアルバイト店員だった東京都内の20代男性が
 
 未払い残業代など約20万円の支払いを求めた訴訟の判決です。


 
 これは3つのリスクをしっかりと物語っているので

 お伝えしようと思いました。

 どこがリスクなのか、少し注意を払って読み進めて下さいね。

 【会社の主張】

 →業務の繁忙度に応じ、日によって勤務時間が変わる

  「変形労働時間制」を採用している

  だから、1日11時間働いた日があっても残業代は不要


 
 【裁判所の判断】

 →「就業規則などで制度の内容を明らかにしておらず、

  労働基準法上の要件を満たしていない」と判断

  約12万円の支払いを命じた。


 金額はこのように決まりました。

    ○会社には約20万円の支払い義務があると認定

    ○十分な根拠なく支払いを拒んだ」として、

     労基法に基づく支払い拒否の付加金も認容額に加えた

    ○時効で男性の請求権が一部失われた

 それで、約20万円を求めていたのに、約12万円の支払い命令

 となったわけです。

  
 
 「変形労働時間制」というのは、

    ある特定の日に8時間超えても
 
    ある特定の週に40時間超えても

    他の日、他の週の労働時間を短縮することで

    ある一定期間を平均すれば

    1日8時間、1週40時間を超えない

 という制度です。


 
 要件としては

   ・就業規則その他をもって具体的運用を定めること

 ですが、それが定めていなかったのですね。

 社員さんが多そうな会社なのに、意外ですが・・


 もしかしたら、運用している制度は変えたのに、

 就業規則がそれに伴っての改訂がされていなかったのかもしれません。


 これが一つ目のリスクです。・・・・・・・リスク1

 会社の運用が就業規則に書いてないと、本来払わなくてもいい

 残業代を払わなければならないということです。

 そして、倍額払わなければならない、「付加金」を認めている

 ことにも注目です。

 「付加金」とは、

   解雇予告手当、休業手当、残業手当、有給休暇の賃金の未払いで

   未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を
   裁判所は命ずることができる

  ※請求は、違反のあつた時から2年以内にしなければならない。

 というものです。


 裁判所に命じられれば、倍額を払うことになるわけです。

 これが二つ目のリスクです。・・・・・・・リスク2

 そして、最大の三つ目のリスクです。・・・・・・・リスク3

 この判決によりこの男性アルバイトに払うお金は約12万円ですが

 社内には、同じような考え方で、残業代を払わなかった人が

 大勢いるだろうということ。

 全員に同じルールで払うとなると、かなりまとまった金額に

 なってしまうことでしょう。


 
 労務管理は細心の注意が必要になってきているのは確かです。

 先日、労働基準監督署の署長さんとお話していたときに

 やはり同じコトを言われていました。


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